
こんにちは「BICYCLE INFO」です
近頃はチェーンのメンテナンスというだけでもチェーンの脱脂作業が必要なケースが増えていますよね!
少し前ならアンプルピンでチェーンを切って繋いでいたわけですが、最近はより簡単なシマノのクイックリンク、KMCのミッシングリンクを使っている方が多いのではないでしょうか?
私も最初はチェーンカッターでアンプルピン仕様でしたが、チェーンルブやWAXなど銘柄を変更するのにも一度チェーンの完全脱脂をしてからというブランドが増えてきましたので、クイックリンク仕様に変更しました。
特にWAX系を使用する時は余計な油分が残っているとWAXの定着が悪くなるので、チェーンの完全脱脂を推奨するメーカーが多いです。(ルブ同士でも完全脱脂を推奨が多いですね)
というわけで、今回はコスパを含め、シマノのクイックリンクとKMCのミッシングリンクを比較してみます。


現在使用しているチェーンおよびリンク
現在リアクト4000に使用しているのは、11速のアルテグラチェーンCN-HG701のクイックリンク仕様。
まずなぜクイックリンク仕様にしたかですが、アンプルピン仕様の場合、一度アンプルピンを抜いたチェーン側の穴はアンプルピンを圧入しているのでごく僅かに大きくなってしまい、著しく強度が落ちるので同じ穴の使用はシマノでも推奨されていません。
ということはチェーン洗浄などで外すと、アンプルピン仕様の場合は同じ穴が使用できないため1コマ短くなってしまうんです!
アンプルピン仕様で何回か外したらチェーンが足りなくなりますね!
もちろん最初にチェーンの長さ調整で余った分を違うコマの穴を使って繋ぐという方法はありますが、どうにも面倒だし、数回繰り返したらどこが使用済みなのかもわかりずらいですよね!


クイックリンク仕様について
上で書いた様にクイックリンクやミッシングリンク仕様にすることで、取り外しの度にコマが減ることはありません。
単純にシマノのチェーンだからシマノのクイックリンクを使用していたのですが、最近様々なタイプのチェーンルブやWAXが出て来ているので試す度にクイックリンクを外します。
シマノのクイックリンクは一度専用工具で外してしまうと再利用ができません。
「物理的にできない」というより、外れやすくなる恐れがあるのでシマノでは再利用不可としています。
自己責任でですが自分も2回までなら何度が試しています。
シマノのクイックリンクは再利用(2度目)の時も専用工具でそれなりのトルクをかけないとロックできないないレベルですのでとても走行中に外れるという事態は起こらない気がします。
ただ再利用不可と言われると少し不安になりますが・・・。
となると取り外す頻度が増えて考えないといけないのがコストですよね〜!
なんとシマノのクイックリンクって2セットで1500円以上するんです????
あんな小さな部品が1個約800円って高過ぎでしょ!
チェーン洗浄するだけでこれだけコストがかかるのはコスパ悪過ぎだと私は思います。
そんな訳で3回〜5回再利用ができるKMCのミッシングリンクと比べてみることにしました!
シマノのクイックリンク vs KMCのミッシングリンク


KMCは「KMC Chain Industrial Co., Ltd.」という名前の台湾の会社で、チェーンだけを専門に1977年から製造販売しています。
シマノのチェーンもOEM生産しているらしいので、シマノのチェーンとの互換は完璧らしいです。
ご存知だとは思いますが、SRAMなど大手ブランドのチェーンもOEM生産していたり、ツールドフランスやオリンピックでの使用実績もあるグローバル企業なんです。
そんなわけで、KMCのミッシングリンクをシマノのクイックリンクの代替品として使用してみようと思います。
ちなみに「ミッシングリンク」と「クイックリンク」という呼び名は両社の登録商標です。
ただしクイックリンクは広義な意味で使われることはあるようですね!

コスパ
これだけ小さいパーツで高価なチェーンのリンク部品ですが、それなりにメーカー側からの理由もあるのでご紹介!
・チェーンリンクは高速回転+高トルク+高負荷の中で動く超重要部品。
・少しのズレで変速性能・寿命・安全性がガタ落ち。
・シマノはとくに精密な「圧入・寸法制御」にこだわっていて、リンクの製造公差が厳格。
・パーツ小さいけど高精度部品扱いになります。
・以外とニッチなパーツで需要が少ないから量産できなくて値段が下げられない。
確かに、チェーンを外して洗浄とかコマ詰め・チェーン交換を自分でやる方は絶対数としてはマイノリティになるのかもしれませんね。
KMCのミッシングリンクとシマノのクイックリンクの価格差
価格 | 個数 | 再利用 | 互換性 | |
KMC ミッシングリンク | 1,983円 | 2セット入り | 3~5回までOK | シマノ SRAMなど |
シマノ クイックリンク | 1,681円 | 2セット入り | 再利用不可 | KMCと互換らしい? |
いわずもがなで、同じ2個入りで約300円の差!しかしシマノは再利用不可でKMCは3~5回まで再利用可能という結果!
チェーン取り外し頻度が多い方は圧倒的にKMCのミッシングリンクのほうがコスパが高いことがわかります!
回数無制限で再利用可能なタイプのWippermann(ワイパーマン)というのも存在しますが、これ凄いです!動画観ましたがひっかかっているだけで工具無しで手で外せるようです!!
それでいて回数無制限と言われると少し不安がよぎるので私はKMCのミッシングリンクを試しました!

形状と重量の違い



画像でもわかるように両社の嵌合部分には若干の違いがあるのがわかります。
プレートの形状はOEM生産をしているだけあり非常に似ていますね!
質感的にシマノのクイックリンクは明らかにクロームメッキが施されていますが、KMCのミッシングリンクはおそらくニッケルメッキで光沢もそれほどありません。
・シマノは組みつけ時にプレート側がわずかに塑性変形(=戻らない変形)するようになっている。
・KMCは形状嵌合(かたちではまる)でプレートがロックされる。
クイックリンクの新品と中古品を比べるとこんな感じ!


シマノのクイックリンクを嵌めるのは相当に硬いです。
専用ツールを使っても結構なパワーが必要になるので、上の画像のように新品時には無い変形が見られます。
再利用時にはこの変形(外れ止め)を作ることができないため、シマノのクイックリンクは再利用不可と言っているのでしょう。
シマノは「安全である」事に対して非常に重きを置く企業で、消費者側としても安心して使用することができます。(アルテグラやデュラのクランクのリコールの時もシマノの対応は素晴らしく賞賛にあたいすると私は思っています)


重量はほぼ同じと考えていいと思います。
KMCのミッシングリンクの装着
長くなってしまいましたが、11速のアルテグラチェーンCN-HG701にKMCのミッシングリンクを装着してみました。
KMCのミッシングリンクもシマノのクイックリンクと同じ様に専用工具が必要と書かれていますが、あるにこしたことはないですがTL-CN10(シマノ専用ツール)を使わなくても、チェーンの両端を持って力でも入れることができますね。(笑)
大した力も必要なく簡単に嵌ります!




これでチェーン外しも気兼ねなく行えますね!!
シマノクイックリンクを使用する場合はシマノ純正ツールじゃないと嵌まらないのでご注意を!(力技でペダルを踏む場合を除く・・・)
サードパーティー製のほとんどは嵌める時にツールのレバーを開くような仕組みになっていますが、シマノクイックリンクは再利用不可というだけあって半端なく硬く、開く動作で嵌めるのは困難でした!
握ると嵌る仕組みはこのシマノ純正だけかもしれないですね・・・。

シマノクイックリンクと比べると、本当に力が必要ないレベルで嵌めることができるKMCのミッシングリンク。(本当に大丈夫なのかと少し不安もよぎる・・・)
シマノチェーンのOEM生産もしているだけあってフィッティングもバッチリです。
ガチ勢や、ヒルクライムなどずっとトルクがかかる乗り方の場合以外、チェーンを外す機会の多い方はこれで十分でコスパも高いかと思います。
もちろん変速数によってプレートの厚みが違うので自分の変速数にあった物をご使用くださいね。
ご参考まで!

